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一人暮らしの固定費を見直そうと思っても、どこから手をつければいいか分かりにくいものです。この記事では、まず総務省の家計調査で単身世帯が実際にいくら払っているかを確認し、そのうえで金額が確定している削減策だけを並べました。「安くなるかもしれません」ではなく、「年◯◯円下がります」と言い切れるものだけを集めています。
※金額は総務省統計局「家計調査(2025年・単身世帯)」、東京電力エナジーパートナー、資源エネルギー庁、総務省の公表値(2026年9月時点)に基づきます。
単身世帯は、実際にいくら払っているか
| 項目 | 月額 | 変えられるか |
|---|---|---|
| 電気代 | 7,337円 | 会社・プラン・アンペアを選べる |
| ガス代 | 2,999円 | 都市ガスなら会社を選べる |
| 上下水道料 | 2,136円 | 選べない(自治体が決める) |
| 通信費 | 6,403円 | もっとも選択肢が多い |
| 合計 | 18,875円 |
※総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯(用途分類・全国)」2025年の1か月平均。光熱・水道の合計は13,333円で、上の3項目のほかに「他の光熱」が含まれます。
家賃を除いた固定費は月2万円弱。年間にすると約23万円です。このうち上下水道料だけは自治体が決めるので手を出せません。残りの16,739円が、見直しの対象ということになります。
金額が確定している削減策
「安くなることがあります」ではなく、公表値から金額が計算できるものだけを挙げます。
| やること | 年間の効果 |
|---|---|
| 契約アンペアを1段階下げる | 3,741円 |
| 暖房を21℃→20℃にする | 1,650円 |
| 暖房を1日1時間短縮する | 1,260円 |
| エアコンのフィルターを清掃する | 990円 |
| 冷房を27℃→28℃にする | 940円 |
| 冷房を1日1時間短縮する | 580円 |
| すべて実行した場合 | 9,161円 |
※アンペアは東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の基本料金差(10Aあたり311円75銭)×12か月。エアコンの各項目は資源エネルギー庁の公表値(2.2kW機種、1kWh=31円換算)。
いちばん確実なのはアンペアの見直し
東京電力の従量電灯Bでは、基本料金が10Aあたり311円75銭で完全に比例しています。40Aから30Aに下げれば月311円75銭、年間3,741円が確実に浮きます。使用量にも季節にも天気にも左右されません。
一人暮らしなら30Aで足りることが多く、40A以上で契約しているなら下げられる可能性があります。まず検針票で今の契約アンペアを確認してください。
→ 一人暮らしの電気代を見直す手順(請求書の内訳の分解と、下げる前の注意点)
我慢のいらない項目から始める
上の表で唯一、生活の質を落とさないのがフィルター清掃(年990円)です。掃除機で吸うだけなら数分です。設定温度や使用時間の短縮は我慢を伴うので、先にこちらを済ませてください。
また、同じ「1度」でも暖房の方が効果が大きい(1,650円対940円)という点は覚えておく価値があります。節電に手をつけるなら冬からです。
金額がいちばん大きいのは、使っていないサブスクの解約
上の9,161円より桁が大きいのが、使っていない定額サービスをやめることです。ウォーターサーバーを例にすると、
- 宅配型:電気代込みで月4,790円程度 → 年57,480円
- 浄水型:電気代込みで月4,121円程度 → 年49,452円
節電を全部やって年9,161円、契約を1本やめて年5万円。効果の桁が違います。「使っていないのに毎月引き落とされているもの」を先に探す方が、費用対効果は圧倒的に高くなります。
ただし契約期間内の解約には解約金がかかります。待った方が得か今やめた方が得かは、計算で判断できます。
→ ウォーターサーバーの解約金はいくら?(「下がる額 ÷ 月額」で待つべき月数を出す方法)
→ 一人暮らしにウォーターサーバーは「いる」?「いらない」?(水1リットルあたりの値段で比べる)
制度が変わって、動きやすくなった項目
「面倒だから」「違約金がかかるから」と止まっていた人には、状況が変わっています。
- スマホの乗り換えにMNP予約番号が不要になりました(2023年5月24日〜)。今の会社に連絡する必要がなく、乗換え先のサイトで完結します。ウェブ経由なら転出手数料も無料です。
- 解約金の上限が下がりました。2022年7月1日以降の契約なら、違約金はサービスの月額料金が上限。主要各社では「1,100円と月額料金の低い方」です。かつての9,500円という水準ではありません。
- 契約から8日以内なら解約できます(初期契約解除制度)。合わなければ戻せるので、乗り換えのリスクが下がっています。
→ 一人暮らしの格安SIM乗り換えガイド(MNPの新ルールと、乗り換え前に確認する5項目)
→ 一人暮らしのネット回線の選び方(8日以内の解除でも工事費は請求される点に注意)
これから引っ越す人の順番
引っ越しは固定費をまとめて組み直せる唯一の機会です。順番を間違えると手戻りが出ます。
- 引っ越し業者を押さえる:3日前までならキャンセル料がかからないので、日程が固まる前の仮押さえは合理的です。
→ 引っ越し業者の選び方 - 31日前になったら電気・ガスを申し込む:東京電力のWEB申込は「当日〜31日先まで」なので、それ以前は申し込めません。
→ 引っ越しの電気・ガス契約、正しい順番とタイミング - ガスの立会い日程を確保する:オートロック物件では、停止のときも立会いが必要になります。
→ 立会いが必要な条件と3つの例外 - ネット回線は内見時に設備を確認しておく:マンションの配線方式は契約者が選べず、速度に直結します。
やりがちな失敗
- セット割を崩してしまう:スマホだけ安いプランに変えた結果、ネット回線や電気とのセット割が外れて合計では高くなる、というパターンです。単体ではなく世帯の合計で比べてください。
- 率での割引に期待しすぎる:「0.5%割引」が月100円の固定割引に並ぶには、対象額が月20,000円必要です。単身世帯の電気+ガスは月10,336円なので、0.5%では約52円にしかなりません。一人暮らしでは固定額割引の方が有利です。
- 工事費の残債を見落とす:「工事費実質無料」は、契約を続けた場合に限って無料という意味であることがほとんどです。途中解約すると残りが請求されます。
- データ容量を絞りすぎる:足りずに追加購入して、かえって割高になることがあります。契約前に直近3か月の使用量を確認してください。
- 新回線の開通前に旧回線を解約する:光回線は開通まで数週間かかることがあります。順番は「新しい回線が開通してから旧回線を解約」です。
ウォーターサーバーを契約する場合
この記事の趣旨は「使っていない定額サービスを見つけて解約する」ことですが、逆にこれから契約するなら、固定費として毎月効いてくる前提で選ぶ必要があります。年間5万円前後の支出になるので、月額だけでなく契約期間まで見てから決めてください。
判断の手順はウォーターサーバーは「いる」?「いらない」?にまとめています。使用量と居住年数で決まる、という結論です。
よくある質問
Q. どれから手をつけるべきですか?
A. 金額の大きい順です。①使っていない定額サービスの解約(年5万円規模)→②契約アンペアの見直し(年3,741円、確実)→③スマホの乗り換え→④エアコンのフィルター清掃(年990円、手間ゼロ)。④は今日できるので、迷ったらここからでも構いません。
Q. 水道代は下げられませんか?
A. 契約先を選べないので、使用量を減らす以外の方法がありません。単身世帯の平均は月2,136円で、固定費全体に占める割合も小さいため、優先順位は低くなります。東京都の料金表を使った実額の計算は一人暮らしの水道代は月いくら?に、光熱費全体のなかでの位置づけは一人暮らしの光熱費の内訳にまとめています。
Q. 見直しは何年おきにすべきですか?
A. 料金プランも制度も変わります。実際、スマホの解約金は2019年と2022年に上限が下がり、MNPの手続きは2023年に簡素化されました。契約から2年以上経っているサービスは、条件の良いプランが出ている可能性が高いので、年1回は確認する価値があります。
通信費の平均と内訳は一人暮らしの通信費は月いくら?にまとめました。スマホ+自宅のネットで月6,415円。光熱費の月13,333円と並ぶ大きな固定費です。
まとめ
- 単身世帯の固定費(家賃除く)は月18,875円。うち上下水道料2,136円だけは選べない
- 金額が確定している節電策をすべて実行すると年9,161円
- なかでも契約アンペアを1段階下げる年3,741円が、我慢なしで最も確実
- ただし桁が違うのは使っていない定額サービスの解約(年5万円規模)。ここを先に探す
- スマホはMNP予約番号が不要になり、解約金の上限も下がった。止まっていた理由はもうない
- 一人暮らしの使用量では、率での割引より固定額割引の方が有利

