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ウォーターサーバーの導入で迷う理由として、電気代の不安はかなり上位に来ます。24時間電源を入れっぱなしにする機械なので、気になるのは当然です。ただ、調べ始めると「平均◯◯円」という数字ばかりが出てきて、結局自分の場合はいくらなのかが分からない、ということになりがちです。
この記事では、まず機種ごとの実際の金額を並べ、そのうえで自分の使う機種の電気代を自分で計算する方法までまとめました。カタログに書かれた消費電力をそのまま計算に使うと現実と大きくずれるので、その理由も説明します。
機種別の電気代一覧
主要なウォーターサーバーの、月あたりの電気代の目安です。金額の安い順に並べています。
| メーカー | 機種 | 月額の電気代目安 | エコモード |
|---|---|---|---|
| ウォータースタンド | ガーディアン | 150円〜 | なし |
| エブリィフレシャス | tall | 360円〜 | あり |
| フレシャス | Slat | 390円〜 | あり |
| エブリィフレシャス | mini | 410円〜 | あり |
| フレシャス | dewo | 420円〜 | あり |
| ウォータースタンド | ピュアライフ | 462円〜 | あり |
| トーエル | 信濃湧水エコ | 464円〜 | あり |
| エブリィフレシャス | lite | 469円〜 | あり |
| プレミアムウォーター | litta | 469円〜 | あり |
| プレミアムウォーター | Locca smart | 469円〜 | あり |
| トーエル | アルピナエコ | 470円〜 | あり |
| コスモウォーター | smartプラスNext | 474円〜 | あり |
| ワンウェイウォーター | — | 474円〜 | あり |
| アクアクララ | アクア8 | 475円〜 | なし |
| ハミングウォーター | flows | 475円〜 | あり |
※各社が公表している目安値をもとにした一覧です。使用状況・室温・設置場所・契約している電力プランの単価によって実際の金額は変わります。契約前には必ず公式サイトで最新の数値をご確認ください。
並べてみると、多くの機種が400円台後半に集中していることが分かります。上位と下位で3倍近い開きがあるように見えますが、実際に候補に挙がる機種同士で比べると、月100円前後の差に収まることがほとんどです。
なお、40機種を調査したデータでは全体の平均が月620円、エコモード搭載機種の平均が548円、非搭載機種の平均が804円とされています。最も高い機種では月1,134円程度という例もあります。
カタログの消費電力で計算してはいけない理由
ここが一番誤解されやすいところです。ウォーターサーバーの仕様表には「消費電力 350W」のような数字が書かれています。これを使って計算すると、こうなります。
350W ÷ 1,000 × 24時間 × 30日 = 252kWh
電力料金の目安単価31円/kWhを掛けると、月7,812円。実際の金額の15倍以上です。

なぜこんなにずれるのか。理由は、仕様表に書かれた消費電力は「最大で使うとき」の数字だからです。ウォーターサーバーは冷却や加熱が必要なときだけ電力を使い、目標の温度に達したら止まります。冷蔵庫と同じ仕組みで、24時間フルパワーで動き続けているわけではありません。
実際の金額から逆算してみます。月500円ということは、月の消費電力量は約16.1kWh。1日24時間で割ると、平均の消費電力は約22Wです。仕様表の350Wに対して、稼働率はおよそ6%ということになります。
つまり、実際に電力を使っているのは1日のうち1時間半程度で、残りは待機に近い状態です。「つけっぱなし=電気を食い続ける」というイメージと、実態はかなり違います。
自分の電気代を計算する方法
各社が公表している目安値は、標準的な使い方を前提にした数字です。自分の状況に合わせて計算したい場合は、次の式を使います。
電気代(円)= 月間消費電力量(kWh)× 電力料金単価(円/kWh)
月間消費電力量は、メーカーが公表している場合はその数値を使います。公表されていない場合は、公表されている月額の目安から逆算できます。
月間消費電力量(kWh)= 公表されている月額(円)÷ 31
31という数字は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電力料金の目安単価(31円/kWh・税込、2022年7月改定)です。家電の電気代を表示するときの共通基準として使われています。
ここで大事なのは、各社が出している目安金額は、この31円/kWhで計算されているという点です。つまり、自分が契約している電力プランの単価が31円より高ければ実際はもっと高く、安ければもっと安くなります。
たとえば契約単価が36円/kWhの場合、公表値469円の機種なら、
469 ÷ 31 × 36 = 約545円
となります。検針票に記載されている単価を確認して、この計算をしておくと、実際の負担に近い数字が出せます。
エコモードで実際に何が変わるのか
一覧表を見ると、エコモードの有無で金額が変わることが分かります。40機種の調査では、搭載機種の平均が548円、非搭載機種の平均が804円。月あたり256円、年間では約3,000円の差です。
エコモードと一口に言っても、仕組みは機種によって異なります。代表的なものは次の3つです。
- 温水の温度を下げる方式:通常85度前後に保っている温水を、70度前後まで下げて維持します。加熱に使う電力が減るぶん電気代が下がりますが、カップ麺など高温が必要な用途では物足りなくなることがあります。
- 時間帯で加熱を止める方式:就寝中など使わない時間帯を設定して、その間は温水の加熱を休止します。使用時間が決まっている人には効率的です。
- 明るさを検知して切り替える方式:光センサーで部屋が暗くなったことを検知し、自動で省エネ運転に入ります。設定の手間がないのが利点ですが、設置場所が常に暗い、あるいは常に明るいと、意図通りに働かないことがあります。
どの方式でも共通しているのは、冷水側には影響しない設計が多いという点です。エコモードにすると冷たい水が出なくなる、というわけではありません。ただし機種によって挙動が違うので、仕様は事前に確認してください。
他の家電と比べるとどのくらいか
月620円という金額を単独で見ても判断しづらいので、身近な家電と並べてみます。
| 家電 | 月額の電気代目安 |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 700〜800円程度 |
| 電気ポット | 600〜700円程度 |
| ウォーターサーバー | 620円程度(平均) |
冷蔵庫よりやや安く、電気ポットとほぼ同じ水準です。
ここで見落とされがちなのが、置き換えになるケースです。これまで電気ポットでお湯を沸かして使っていた人がウォーターサーバーに切り替える場合、電気ポットを使わなくなるので、電気代の総額はほとんど変わりません。純粋な増加分として620円がかかるのは、これまでやかんや電気ケトルを使っていた場合です。電気ケトルは使うときだけ電力を使うため、月200〜300円程度に収まることが多く、その分の差が実質的な増加分になります。
一人暮らしの電気代のなかでの位置づけ
総務省の家計調査によると、単身世帯の電気代は月平均7,337円です。ここにウォーターサーバーの620円が加わると、全体に占める割合は約8.5%になります。
過去3年と並べると、こうなります。
| 年 | 単身世帯の電気代 | サーバーが占める割合 |
|---|---|---|
| 2023年 | 6,726円 | 約9.2% |
| 2024年 | 6,756円 | 約9.2% |
| 2025年 | 7,337円 | 約8.5% |
※総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯(用途分類・全国)」の各年1か月平均をもとに算出した目安です。
どの年も1割弱で安定しています。2025年に割合が下がっているのは、サーバーの電気代が減ったからではなく、電気代そのものが前年から581円上がったためです。
またウォーターサーバー自体の電気代は季節による変動が小さいため、暖房で電気代が跳ね上がる冬場は相対的な存在感が下がります。逆に言えば、春や秋に「今月は電気代が高い」と感じたとき、その原因がウォーターサーバーである可能性は低い、ということでもあります。
電気代を左右する4つの要素
同じ機種でも、使い方や置き方で電気代は変わります。影響の大きい順に整理します。
- エコモードの有無(月200〜250円程度の差):機種選びの段階で決まってしまう要素なので、ここが最も効きます。契約後に変えることはできません。
- 設置場所の放熱スペース(月数十円〜100円程度):背面や側面を壁にぴったり付けると熱がこもり、冷却に余計な電力を使います。メーカーが指定する5〜15cm程度の隙間を空けてください。
- 直射日光と室温(月数十円程度):日光が当たる場所や、室温が高い場所では冷却の負荷が上がります。窓際は避けるのが基本です。
- 温水の使用頻度:温水を使うたびに再加熱が発生します。ただし、その分やかんや電気ケトルを使わずに済んでいるので、家全体で見れば差し引きになります。
よくある誤解として、「使わないときは電源を抜けば節約になる」というものがありますが、これは逆効果です。再稼働の際に冷水と温水を一からつくり直すことになり、まとまった電力を消費します。加えて、水が滞留することによる衛生面の懸念もあり、多くのメーカーが推奨していません。数日程度の外出なら、つけたままの方が効率的です。
電気代だけでなく総額で判断する
実際に契約するかどうかを考えるときは、電気代を切り出して比べるより、月々かかる総額で見た方が現実的です。
月額の合計目安(電気代を含む)
同じ条件で比べると、浄水型の方が月550〜1,850円ほど安くなる計算です。
| 内訳 | 宅配型 | 浄水型 |
|---|---|---|
| 水代・基本料金 | 3,000〜4,500円程度 | 2,500〜3,900円程度(定額) |
| サーバーレンタル料 | 0〜1,200円程度 | 基本料金に込み |
| 電気代 | 400〜800円程度 | 350〜750円程度 |
※プランや機種によって大きく変動する目安です。浄水型の電気代に幅があるのは、メーカーが公表している前提(使用量やエコモードの回数)が機種ごとに違うためです。契約前に必ず公式サイトで正確な料金をご確認ください。
内訳から分かるのは、電気代が総額に占める割合は1割前後だということです。機種Aと機種Bで電気代が月100円違ったとしても、水の単価やレンタル料の差の方が総額への影響は大きくなります。
電気代を機種選びの第一基準にするのは、優先順位として適切ではありません。まず総額で候補を絞り、そのうえで条件が近いものが複数残ったときに、電気代を判断材料に加える。この順番が現実的です。
結局、電気代はどこまで気にすべきか
状況ごとに整理すると、こうなります。
- これまで電気ポットを使っていた人:置き換えになるため、実質的な増加はほとんどありません。電気代を理由に迷う必要は薄いです。
- やかんや電気ケトルを使っていた人:月300〜400円程度の増加になります。ただしお湯を沸かす手間がなくなる分との比較になります。
- とにかく固定費を切り詰めたい人:電気代よりも、水代とレンタル料を見てください。浄水型を選べば月額の総額が下がることが多く、電気代も宅配型よりやや低い傾向があります。
- すでに契約していて電気代が気になる人:機種は変えられないので、設置場所の見直しが唯一できる対策です。壁から離す、直射日光を避ける。効果は月数十円〜100円程度ですが、手間はかかりません。
電気代以外の費用も含めて検討したい場合は、一人暮らしにウォーターサーバーは「いる」?「いらない」?で判断の基準を、ウォーターサーバーの解約金はいくら?で途中でやめる場合にかかる費用をまとめています。
電気代を抑えた機種を選ぶなら
この記事で見たとおり、電気代が総額に占める割合は1割前後です。機種選びで電気代を第一基準にする意味は小さく、まず総額で絞ってから、条件が近いものが残ったときに電気代を見るのが適切な順番でした。
そのうえで電気代を抑えたいなら、効くのは機種の違いよりもエコモードを使うかどうかです。40機種の調査でも、エコモード搭載機種の平均は548円、非搭載機種は804円と256円の差がありました。エコモードのある機種を選ぶ、という基準の方が実用的です。
本文の一覧に登場した機種では、次の2つがエコモードに対応しています。いずれも契約期間があるので、料金と同時に解約条件も確認してください。
よくある質問
Q. エコモードにすると冷水はぬるくなりますか?
A. 多くの機種では冷水側に影響しない設計になっています。エコモードが主に制御するのは温水側で、温度を下げるか、一定時間加熱を休止するかのどちらかです。ただし動作は機種ごとに異なるため、契約前に仕様を確認してください。
Q. 公表されている電気代と実際の請求額が違うのはなぜですか?
A. 公表値は電力料金の目安単価31円/kWhで計算されているためです。契約している電力プランの単価がこれより高ければ、実際の金額も上がります。検針票で自分の単価を確認し、「公表値 ÷ 31 × 自分の単価」で計算し直すと、実態に近い数字になります。
Q. 長期間家を空けるときは電源を抜くべきですか?
A. 数日程度なら入れたままで問題ありません。1週間以上空ける場合はメーカーによって推奨する対応が異なります。電源を抜く場合、再稼働時に水抜きや再加熱の待ち時間が必要になる機種もあるので、手順を事前に確認しておいてください。
Q. 卓上型と床置き型で電気代は違いますか?
A. サイズよりも、エコモードの有無や冷却方式の方が影響します。一覧表を見ても、卓上型のエブリィフレシャス miniが410円、床置き型のtallが360円と、小さい方が安いとは限りません。機種ごとの数値で比べてください。
Q. 浄水型と宅配型で電気代は違いますか?
A. 冷水と温水をつくる仕組み自体は共通なので、大きな差はありません。一覧表でも両方が混在しています。違いが出るのは水代の方で、浄水型は使った量に関わらず定額、宅配型は注文したボトルの本数に応じた費用になります。
まとめ
- 主要機種の電気代は月400円台後半に集中していて、機種間の差は月100円前後に収まることが多い
- 仕様表の消費電力(例:350W)をそのまま24時間で計算すると、実際の15倍以上になる。実稼働率は6%程度
- 公表値は31円/kWhで計算されているため、自分の契約単価に置き換えると実態に近づく
- エコモードの有無で月200〜250円、年間約3,000円の差
- 電気代が総額に占める割合は1割前後なので、機種選びでは水代とレンタル料を優先する
- 電源の抜き差しは節約にならず、再稼働時にかえって電力を使う

